急性期での経験を在宅での生活を支える力に
がん末期や神経難病など、医療依存度の高い方が多く入居するホスピス型住宅のReHOPE。要介護度4~5の方が6割を超え、100名以上の方が人工呼吸器を装着して生活しているため、高度な医療的ケアが求められます。
高まるニーズを見据えて、ReHOPEを運営するCUCホスピスは2023年から教育体制を強化しました。認定看護師など専門的な資格や経験、知識を有するスタッフで構成されるチームが「人工呼吸器」「緩和ケア」などの専門研修や各施設への訪問指導を行い、ケアの質の向上をけん引しています。この礎を築いたのが、疾病や外傷、手術などで生命の危機に瀕している患者様への看護を行う「クリティカルケア認定看護師」の河合章子さんです。かつては、急性期病院のICUで人工呼吸器のスペシャリストとして活躍してきた河合さん。CUCホスピスへ入社後、がんや難病の方と接する中で大きな気づきがありました。
「『治癒』を目指す病院と『生活の質の向上』を支える在宅では、ケアの目的が全く違うと実感しました。病院での人工呼吸器管理の方法は確立されていますが、在宅でその人らしく生きるためのケアは改善の余地があると感じたんです」
そこで河合さんは、自身の知見を活かした専門教育の立ち上げを決意。初年度は人工呼吸器のケアに焦点を当ててプログラムの土台を築きました。
「在宅でのケアについて言及した書籍はほとんどありませんでした。膨大な論文や機器の取扱説明書を読み込み、自身の経験と組み合わせて研修プログラムとマニュアルを作ったんです。それを片手に全国30以上の自社施設を訪ねて回りました」
地道な活動の結果、初年度は全施設から38名が受講。「入居者様のQOL向上のために何かできることはないか」といった意識が培われ、今まで以上に河合さんのもとに各施設から相談が寄せられるようになりました。翌年度からは緩和ケアの認定看護師をチームに加え、「緩和ケア」の研修も開始。介護職員も積極的に参加し「自信を持ってケアに当たれるようになった」という声が寄せられています。
「今後は技術向上だけでなく『入居者様一人ひとりの生き方を支える力』を育む教育を目指したいです。入居者様が前を向いて生きられるような状態を作れた先に、持続可能な地域医療の未来があると信じています」







